【2026年4月1日から適用】
改正労働安全衛生法により、高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善や、適切な作業管理などの対策を講ずることが、事業者の努力義務となりました。厚生労働省の「高年齢者の労働災害防止のための指針(エイジフレンドリー指針)」では、リスクアセスメントを行い、現場の実情に応じて対策を進めることが示されています。これは、高年齢者だけを評価したり、本人の注意や体力だけに責任を求めたりするものではありません。仕事の負担と働く人の状態を両方から確認し、安全に働き続けられる仕事へ整えるための取組です。
厚生労働省の指針を見る

労災はひとつの原因だけで発生するものではありません。
作業場の段差や滑りやすい床などの設備リスク(作業環境)は、目に見えやすいため対策が進みやすいですが、動作(作業方法や取り扱い重量)や個人差のある「身体負荷や身体能力の低下」は現場で見落とされがちです。特に高年齢労働者は腰痛や転倒などの被災リスクが高くなります。

高年齢労働者の労災対策で確認したい
3つの要素

作業の負担を知る
姿勢、動作、重量、繰り返し、作業時間などを確認します。

働く人の状態を知る
年齢だけで判断せず、体力、疲労、作業経験などを確認します。

現場に合う対策を試す
作業、設備、動線、道具、休憩、体力づくりを組み合わせます。

作業負荷計測
首かけ式のセンサを装着して、いつもの作業をするだけで作業姿勢や腰部への負荷を計測できます。

職場でできる体力測定
数種類の体力測定を現場で実施することで、体力要素や腰部負荷許容値を推定します。

作業負荷と作業者の体力のミスマッチを分析する
負荷計測と体力測定の結果を照らし合わせ、どの作業、姿勢、環境に無理が生じているかを整理します。

測定結果から必要な対策を選ぶ
分析結果をもとに、現場の状況に合った対策を組み合わせます。
仕事・作業環境を改善する
作業台や設備の高さ、道具や材料の配置、作業方法、工程、休憩や交替の方法などを見直します。
スマートスーツ®で
身体負担を軽減する
中腰や持ち上げなど、身体負担が大きい作業では、スマートスーツ®の導入や試行を検討します。必要に応じて装着前後の負荷を測り、対象作業への適合性を確認します。
体力づくりを支援する
測定結果に応じて、軽労化®︎トレーナーが現場に伺い、ストレッチや筋力・バランス運動など、働き続けるための体力づくりを支援します。

定期的に測り、次の改善につなげる
対策を実施した後は、作業負荷や身体の状態を再び確認します。改善前後の変化を記録し、対策の継続や見直し、ほかの作業への展開につなげます。
測ることや製品を導入することだけが目的ではありません。仕事・環境の改善、スマートスーツ®による身体負担の軽減、体力づくりを組み合わせ、仕事と人が適合する状態をつくることが軽労化®ナビの役割であり、社内で関心を高める軽労化®︎活動です。
腰痛や転倒は、加齢による身体機能の変化だけで起きるものではありません。重量物の取り扱い、不自然な姿勢、段差や床面、急ぐ作業、休憩の取りにくさなど、仕事の設計もリスクに影響します。
必要なのは、一律の年齢基準ではなく、どの作業の、どの動きに、どの程度の負担があるのかを確認し、現場と一緒に対策を選ぶことです。
高年齢労働者の労災対策について相談する
2026年4月から努力義務化されたエイジフレンドリー指針への対応などご相談ください。
01
腰への負担
持ち上げ、前屈、ひねり、長時間姿勢、反復作業を確認します。
02
転倒につながる条件
床、段差、照度、動線、履物に加え、焦りや疲労も確認します。
03
働き方と回復
作業時間、休憩、交代、教育、体調変化を伝えやすい環境を見直します
01
作業と工程を変える
持ち方、運び方、配置、動線、作業時間などを見直し、負担そのものを減らします。
02
道具や機器で支える
アシストスーツや補助具などを、作業との適合を確かめながら活用します。
03
働く人の体力を保つ
身体機能、作業の習熟、安全行動を支え、無理なく働き続けられる状態をつくります。

01 安全衛生管理体制を整え、リスクアセスメントを行う
02 設備、動線、作業方法などの職場環境を改善する
03 健康や体力の状態を客観的に把握する
04 仕事と人の状態を適合させ、健康・体力づくりを支援する
05 働く人と管理監督者に安全衛生教育を行う
軽労化®︎ナビは、指針への対応すべてを代行するものではありませんが、作業負荷計測と体力測定を通じて、リスクアセスメント、職場環境の改善、仕事と人の適合を具体的に検討するための材料を整理することができます。

オール・エイジアクションを、現場の改善につなげる
中災防のチェックリストで見つけた課題を、具体的な職場改善へ。作業負担の計測・体力測定・作業改善・体力づくりを組み合わせ、現場の皆さんと継続的に取り組む、SS社の軽労化®活動をご紹介します。年齢や体力の違いを踏まえ、「人に仕事を合わせる」という考え方のもと、一つの職場、一つの作業から、誰もが無理なく働き続けられる環境づくりを支援します。
まずは、自社の取組を振り返ってみませんか?
高年齢労働者の労災防止対策をきっかけに、すべての世代が安全・健康に働き続けられる職場づくりを考えてみましょう。
「エイジフレンドリー指針」と「オール・エイジアクション」を参考にした簡易チェックで、職場の取組状況を確認できます。結果に応じて、改善のヒントや関連情報をご案内します。
(共通17問 + 作業に応じた最大4問 / 登録不要)
制度の概要を知る、現場のリスクを整理する、具体的な職場改善を考える。次の一歩に合わせて、資料と解説記事をご活用ください。

今後、高年齢労働者の労災予防や頻発する腰痛や転倒などの行動災害への対応がリスクアセスメント型に移行します。 この変化は日本の労働現場における安全衛生の考え方が根本的に変わることを示唆しています。これからは各企業が「自社の職場リスクをどう把握、評価し、対策を講じたか」そのプロセス自体を説明することが求められます。スマートサポート社は、企業は何を理解し、どこから対応を始めるべきかを、経営・労務の視点で分かりやすくまとめた資料を提供しています。

2026年4月からの高年齢労働者の労災対策に関する努力義務化を背景に、腰痛や転倒といった行動災害への対応は、「発生後の対処」から「事前のリスク評価と説明可能な対策」へと大きく転換しています。本チェックリストは、国の指針に沿って、作業内容・作業者特性・作業環境を体系的に整理し、現場に潜むリスクを“見える化”するためのものです。対策の優先順位付けや記録にも活用でき、企業として「なぜこの対策を講じたのか」を説明できる状態をつくることを目的としています。安全配慮義務を果たすための実務ツールとして、ぜひご活用ください。

2026年4月から、高年齢労働者の労災対策が努力義務化(エイジフレンドリーガイドライン)され、「やっていないこと自体がリスク」となる段階に入りました。万が一、事故が発生した際に、説明責任が厳しく求められます。

札幌商工会議所の会員企業293社への調査では、60歳以上が従業員の3割以上を占める企業が17.2%となり、高齢者を新たに採用する企業も45.9%に上りました。一方、採用条件では体力や健康状態も重視されています。本記事では、高齢者雇用を人数や本人の体力だけの問題にせず、「仕事と環境を整える」「必要な場面で身体を支える」「働くための体力を育てる」という三方向から、ベテランが無理なく働き続けられる職場づくりを考えます。人手不足、技能伝承、労災予防に備えたい経営者・安全衛生担当者に向けた記事です。